デジタル映像サービス
安くて高機能なパソコン・デジカメ・カラープリンタ・インターネットなどが普及したおかげで、フィルム時代と写真の楽しみ方が大きく変化しました。ご自身の手で写真を活用できるのです。さあ眠っていた写真たちに魂を吹き込んで復活させましょう。

徒然小ネタ集

写真やフィルムにまつわる小ネタ、デジタル画像にまつわる小ネタ、へぇそうなんだ、これって便利、ちょっとしたことを書き綴っていきます。

思い出の写真 整理・保存・修復・活用法―団塊世代に

書籍紹介
思い出の写真 整理・保存・修復・活用法―団塊世代に 先日、図書館で件名の本を見つけました。早速借りて読んでみました。なんと写真の本なのに技術的な説明がほとんどありません。ごく普通の人でもなんなく読んで理解できると思います。カメラなんて興味ない、写るんですしか使ったことがない、そんな人も読んで写真に再び生き返らせてあげてください。

【日販MARCより】
写真の最適な保管のしかたから、自分でできる写真の修復法、デジタルデータを活用した自分史や写真俳句作りなど、様々な写真の整理・活用法を紹介し、思い出の写真を甦らせる。写真の新たな面白さを発見できる1冊。

【BOOKデータベースより】
広く写真の整理から活用法までを紹介。あわせて写真というものについてこれまでとは違った観点から考えることができる。

【目次】
第1章思い出の写真を発掘しよう
これまでの写真を集めてみよう
写真は忘れられたところにある
ネガやポジも捨てないで保管
状態が悪くてもそのまま保管
自分が載っている印刷物も保管しておく
[コラム]いつ撮った写真かを判別する方法 

第2章思い出の写真を整理する
古い写真の持つ社会的価値
写真には莫大な情報量がある
写真をカテゴリー分けする
写真を資料として後生に遺す
[コラム]古写真から見えてくるもの

第3章写真を修復、再生してみよう
プリント、ネガは退化するもの
写真、フィルムを扱う際の注意点
保存状態がよくても染みができたり、変色したりすることがある
専門店に頼んで写真を修復する方法
自分で修復する方法
ブックマットを作る
[コラム]フィルム写真とデジタル写真の違いとは

第4章デジタルデータとして取り込む
デジタルなら想像以上のことが可能に
スキャナーを用意する
資料的に使うのであればデジカメで撮る方法も
画像ソフトで写真をよみがえらせる
デジタルデータはバックアップが肝心
[コラム]溜まった資料で自分博物館を作ってみよう

第5章写真を再編集してみよう
写真のまとめ方
アルバム作り
自分史作り
写真俳句、詩集
スクラップブッキング
フォトライト、ランプシェード
[コラム]アメリカ人家族での写真の飾り方

第6章写真を公表、披露してみよう
写真をみんなに見てもらおう
インターネット上に写真データを載せるとどこからでも見られる
ブログを利用すると日記のように使える
インターネット上のルールを覚える
デジタルデータを活用して披露する
[コラム]自分の遺影を準備しておく

暗くコントラストの高い写真をどうにかする

画像処理
今回も暗い写真の救済です。今回の「暗い」はただ露出をミスって全体的に暗くなった「暗い」ではなく、写真の一部に凄く明るい部分があって全体的なコントラストが高くなって暗くなる「暗い」です。よく見かける例では窓際や逆光で顔などが暗くなってしまうものです。三つの例で試して見ましょう。
  1. デジカメ JPEG写真 (8ビット)
  2. デジカメ DNG写真 (16ビット)
  3. フィルム TIFF写真 (16ビット)
まずはじめにデジカメデータの調整をしてみます。デジカメのJEPG・DNGともに元データは(a)です。各色8ビットのJPEGをgimpのトーンカーブで顔が見えるように調整すると写真(b)のようになりました。写真が小さくてわかりずらいですが、色つぶれや色飛びが激しいです。16ビットで処理すればある程度、色つぶれは回避できるはずです。次にDNG形式の16ビットデータをqtpfsguiでHDRとして扱いmantiukでトーンマッピングしてみました。それが写真(c)です。全体的に色がリアルでないのでgimpのトーンカーブで調整すると(d)のようになりました。オリジナルとは色の感じが違うのはオリジナルのホワイトバランスが間違っていたのでしょう。(d)のできはやや絵画調かもしれませんが、現状のカメラでは絶対に撮れないコントラストなので救済としては合格じゃないでしょうか。
(a) デジカメのオリジナル (b) トーンカーブで調整
(c) HDRで調整 (d) HDR後トーンカーブで調整
次はフィルムです。(e)がオリジナルの写真で空の明るさに露出があっています。その代わりに屋根の下は真っ暗。アナログの時代は当然そうなるもので、それ以上追及していませんでしたが、デジタルの時代、画像処理でどうなるでしょう。まずは8ビットのJPEGをトーンカーブの調整で明るくして見ます。その結果が(f)です。8ビットのデータにした時点で暗部の詳細な画像情報が失われ、結局黒くつぶれてしまいました。もちろん色もつぶれています。(g)ではスキャンデータをHDR化してmantiukでトーンマッピングしています。小さい画像では分かりづらいですが、藁葺き屋根の藁の断面も見えるようになり、軒下の壁や薪もよく見えます。ネガフィルムのダイナミックレンジに助けられました。
(e) フィルムのオリジナル (f) トーンカーブで調整 (g) HDRで調整
ちなみに、フィルムは写るんですで撮ったものです。絞りもシャッタースピードも調整できないのにけっこう撮れるものなんですね。
デジカメデータの(b)と(d)をMicrosoftのzoom.itというサービスでgoogle mapsのようにグリグリ操作できるようにしてみました。細部まで拡大できるので色潰れもよく確認できます。操作方法はマウスを画像に持っていくと表示されます。画像をドラックで移動、ダブルクリックで拡大、ホイールで拡大縮小もできます。

パソコン教室様、広告を掲載してください

お知らせ
当社では簡単な広告を掲載していただける媒体を探しています。想定しているのは写真のレタッチなどを題材にされているパソコン教室様のテキストに広告を掲載するというものです。市民講座のような常設校でない教室様もご検討いただけると幸いです。ご検討していただけるようであれば、料金、掲載位置、サイズなど諸条件をメールにてご連絡ください。

Picasaで簡単DNG現像

ソフト紹介
かなりおすすめの画像管理ソフトPicasaもDNG形式のファイルをサポートしています。そのうえナント簡易とは言えないほどけっこうしっかりした画像編集機能があるのです。ということでUFRawの話に続いてやってみましょう。サンプルの画像はUFRawのものと同じです。

1. Picasaでサムネイルをダブルクリックすると編集モードに入ります。切り抜きと回転でトリミングします。
Picasaでフィルムの現像 Picasaでフィルムの現像 Picasaでフィルムの現像
2. 明るさ調整をします。
Picasaでフィルムの現像
3. 「調整」タブを選択して色温度を調整します。(黄色くしすぎた…)
Picasaでフィルムの現像
4. 「ハイライトを調整します。
Picasaでフィルムの現像
5. 各パラメータをいろいろ操作して好みの絵に仕上げます。できあがったら「ファイル」メニューの「名前を付けて保存」を選んでjpgファイルに保存します。

UFRawと比べると調整が簡単というか単純なので楽です。しかももともと画像管理ソフトなので便利です。

DNG形式のRAWファイルを現像する

ソフト紹介
このたびご提供することになったDNGファイルをどう扱うかを簡単に説明いたします。まずはDNGとはデジカメのRAWファイルの一つの形式です。カメラメーカー各社はさまざまな形式のRAWファイルを出力しますが、これをどうにかしようとAdobe社によって作られました。ではRAWとは何か…要はホワイトバランスや露出の調整をする前のまだ目では見られない状態のデータです。つまりDNGファイルで出力すれば各調整をご自身の手で好みのRAW現像ソフトを利用してできることになります。ここではオープンソースのUFRawというソフトを利用してみます。(UFRawは写真のレタッチにも便利なGIMPと連携できます)

インストールの方法はgoogleで「ufraw インストール」などのキーワードで検索して他のサイトを参考にしていください。GIMPまたはGTK+2のいずれかが必要になります。GIMPがあるといろいろ便利なのでGIMPをインストールするのがよいと思います。

ではサンプルのDNGファイルを開いてみます。もちろんネガフィルムを当社でスキャンしたものです。

[サンプルのDNG(134M)をダウンロードする]

UFRawを直接起動するかGIMPでDNGファイルを開くと自動的にUFRawで読み込まれます。GIMPで開いた場合にはUFRawはできあがりの画像を直接GIMPへ引き渡します。ファイルへの保存はGIMP経由となります。UFRawを直接起動するとファイル選択ダイアログが表示され、それを利用してDNGファイルを開きます。この場合エクスプローラから直接ドラック&ドロップできないので不便です。また現像後レタッチをする可能性が無いとはいえないのでGIMPから開くようにすると便利です。(GIMPはドラック&ドロップでファイルを開くことができます)
UFRawでフィルムの現像
画面右側がプレビューで左側が操作をする部分です。上下のヒストグラムは確認用で直接触りません。操作するのはそのヒストグラムに挟まれた部分です。UFRawの各機能についてはオフィシャルサイトで詳しく説明されています。各アイコンが説明されているのでこのページを参照しながらこの先を読んでください。
UFRawでフィルムの現像
1. 「切り抜きと回転」タブを選択して向きと表示範囲をしています。(上:160、右:3813、下:5796、左:125)
UFRawでフィルムの現像
2. 「カラーマネージメント」タブを選択して「入力のICCプロファイル」を調整します。入力がデジカメではなくフィルムなのでちょっと困ります。デジカメの場合は機種が決まればプロファイルが決まりますが、フィルムの場合カメラではなくてフィルムのプロファイルだし、フィルムは経年劣化するので同じフィルムでも一概に何ともいえません。ここでは自然に見えるようにリニアリティを0に設定しました。下の図は左がデフォルト値の0.1、右が0です。
UFRawでフィルムの現像
3. プラス・マイナス・アイコンの「EV補償」で調整します。DNGファイルを読み込んだ時点では0です。歯車マークをクリックすると暗部がつぶれないように、明部は白飛びしないように調整してくれます。ここでは白く飛ばして春まきを明るくします。ということで1.6に設定しました。
UFRawでフィルムの現像
4. 「ホワイトバランス」タブを選択してホワイトバランスを調整します。フィルムの場合はデイライトかタングステンのほぼ二種類、もっといえばデイライトばっかりです。デジタル化のおかげで簡単に調整できるようになりました。今回はデジカメではないのでカメラで計算されたホワイトバランスのデータやプリセット値がありません。「自動WB」か「マニュアルWB」で行います。自動はそのまんま自動です。被写体に白またはグレイの部分(白飛び部分ではない)がある場合はその部分を選択してスポイド・アイコンをクリックするとその部分から計算してホワイトバランスを調整してくれます。ここでは被写体下部の皿が白だと仮定して調整してみました。(色温度:6063、緑色:0.963)
UFRawでフィルムの現像
これらの機能や、トーンカーブ、輝度、彩度、などをあっち触ったり、こっち触ったりとチョコチョコ調整して絵作りします。好みの絵に仕上がったら「OK」ボタンを押します。(GIMP経由で起動していると仮定しています)。画像はGIMPの編集画面に送られるので、その他のレタッチや加工があるならばそのまま連続して編集ができます。画像ができあがったらファイルに保存して完成です。UFRawでいったん「OK」ボタンを押すと基本的に再編集できないと思ってください。というのは編集したパラメータを保存して、再読み込みできないようなのです…ただし、最後に編集したパラメータは残っているので、直前の編集は継続できます。(しかし切り抜きパラメータは再現されない…)

5. 完成!
UFRawでフィルムの現像

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