写真フィルムは直接見てもよく分かりませんが意外とノイジーなのです。明かりを反射させてみると派手なキズくらいは見えるかもしれませんが、実際ほどは見えません。紙焼きしてもサービス判程度では気にならないかもしれません。デジタル技術で詳細を拡大して見ることが簡単にできるようになりましたし、最近のデジタルカメラの高画質さに慣れてしまうと、キズやホコリがすごく気になるようになりました。
下の写真は今から数ヶ月前に箱根で撮った写真です。左が 4,000dpi でスキャンしたものをギューっと縮小したものです。一見、キズやホコリがついているようには見えませんが実はたくさんついていまして、それを示しているのが右の写真で赤くなっている部分です。緑や青の部分がありますがこれは汚れではなく白に近い部分や黒に近い部分です。
カメラ:リコーオートハーフ、フィルム:KODAK GOLD100
それでは左の写真をグッと拡大してみます。下に示しているのが 4,000dpi でスキャンしたものを縦横を半分に縮小して一部を切り出した画像です。赤外線によるキズ・ホコリを検知して修繕したものと、していないものが1秒ごとに交互に表示しています。
修繕前と比べるとその効果は大きく明らかです。ネガの場合、キズやホコリで光が遮られると白くなるので黒に近い部分にあるとはっきりします。しかし、特に大きなキズについては修繕後も探せば見つかり、完全には消しきれていません。とは言っても修繕の効果を否定するには弱すぎます。
このような結果から、文字情報や何が写っているか分かれば十分という品質でよければキズ・ホコリ処理をしないコースでもかまわないと思いますが、普通に人物や風景を撮ったものは処理をすることをお勧めしています。