まだやったことはありませんが花や葉の搾り汁から写真を作るanthotypeとう技法があるのです。仕組みは植物から抽出した色素を紙に塗って、紫外線でそれを退色させ色の濃淡を作らせます。つまり色を白く薄くしたい部分にたくさん紫外線をあてて、濃くしたい部分は紫外線が当たらないようにすれば絵になります。実際の手順は画用紙に色素を塗って、乾かし、ポジフィルムを密着させて長時間紫外線に当てるとういことになります。どれくらい長時間かといえば、色素が色褪せるまでです。ものによってはえらく時間がかかることになります。何ヶ月とか。
さて、さくらんぼに戻りまして。拾ってきたさくらんぼで桜の写真を作ったら面白いんじゃないか?ということでこの春に撮った桜の写真で作ることにしました。さくらんぼは後から漉したりするのが面倒でしたので果実酒を作るように焼酎に漬け込みました。た。た。が、半日待ったところで我慢できなくなって実を潰しました。グイ、グイっと。すぐに濃い赤紫色が出てきました。それからしばらく待ってから色の付いた焼酎を水彩画の画用紙に塗っていきました。まず一筆、まず薄っすらと色が付きます。あれ?思ったより薄いな…とがっかりしているとミルミル色が出てきました。紙と化学反応してるのか、空気と化学反応してるのか、またはそれ以外か。よくわかりませんが、しっかりと色が付きます。むらになってるのがはっきり分かるくらい。とりあえず、むら抑制とできるだけ色を濃くしたかったので四方向からそれぞれ塗って計四度塗りとしました。これが乾けば印画紙の完成です。
次にポジフィルムです。サイアノタイプみたいに…というわけにはいきません。anthotypeの感光カーブは…そもそも使った色素でばらばらでしょうから参考になるものがありません。いつも頼りにするインターネットの先人達のデータもないです。anthotypeはできてもぼんやりした絵になるはずなので、ここらへんはあまり拘らずトーンカーブはぼんやり防止のためにコントラストが高くなるようにしました。これが吉と出るか?そもそも絵が出るか?
親子丼ならぬ親子写真でした。