デジタル映像サービス
安くて高機能なパソコン・デジカメ・カラープリンタ・インターネットなどが普及したおかげで、フィルム時代と写真の楽しみ方が大きく変化しました。ご自身の手で写真を活用できるのです。さあ眠っていた写真たちに魂を吹き込んで復活させましょう。

徒然小ネタ集

写真やフィルムにまつわる小ネタ、デジタル画像にまつわる小ネタ、へぇそうなんだ、これって便利、ちょっとしたことを書き綴っていきます。

いろいろなコーヒー現像

知る
以前、コーヒー現像の代表的なものとして Caffenol-C を紹介しました。Caffenol-C 自体試行錯誤によって生み出されたもの、世の中にはさらに研究・試行錯誤を進める偉い人がいるのです。ここでは、そんな発展系や独自路線などを紹介していきます。これからもパイオニア達は研究の手を休めることはないでしょう。

左の写真は本文とはあまり関係ありません。カラーネガフィルムを Caffenol-C-L で現像したものです。

Caffenol-C-M(RS)

Caffenol-C-Mの炭酸ソーダ(Na2CO3,炭酸ナトリウム)を減らした処方です。炭酸ソーダを減らそうと考えた人は何人かいるようで、どなたが考案したとは言えない状態らしいですが、ここでは有名な Eirik Russel Roberts さんのものを紹介します。Eirik さんは現像液をちまちま作るのが面倒ということで、予め粉を水に溶いた状態にしておきました。そうすれば現像液を作るときに液体を混ぜるだけでできます。粉が溶け残る心配もありません。たしかに完全に溶かすにはけっこう混ぜます。ところがしばらく液体を放置していると、炭酸ソーダが結晶になって析出してしまいました。それはまずいということで、薄めの炭酸ソーダ水溶液で現像液を作ったということです。しかもその結果がとても良かったのでした。Caffenol-C-M(RS) の RS は reduced soda, reduced sodium carbonate, 炭酸ソーダを減らしたバージョンということです。

どれくらい炭酸ソーダを減らすかといえば、およそ75%がちょうどいいようです。つまり C-C-M の現像液1リットル中、炭酸ソーダを 54g から 40g にします。温度や時間、拡販方法は特に変更はありません。RS は C-C-H でも良い結果になるようです。

Delta Recipe

コーヒー現像の処方について試行錯誤してレシピを生み出している人が何人もいます。その中の一人の Dirk Essl さんは、これだ!というレシピにたどり着きました。そのときメインで使っていたフィルムが Ilford の Delta 400 だったので、Delta レシピと名づけました。Delta レシピは C-C-M と比べるとたくさんビタミンCを使い、炭酸ソーダが少なめです。処方は現像液1リットル作るために、45gのインスタントコーヒー、24gの炭酸ソーダ、20gのビタミンCです。Dirk Essl さんはこの他にもマイクロフィルム用の Delta-MIC や二浴式の Caffeafine というレシピも作りました。

Sumatranol130

これはインスタントコーヒーを使いません。スマトラ(インドネシア)のコーヒー豆を煎るところから始めます。想像するだけでも安定して現像できなさそうです。しかもちゃんとしたコーヒーより激安のインスタントコーヒーが良かったのでは?考案者の John Nanian さん以外できるのでしょうか?すごすぎます。

ブロムカリの代わりに臭化ナトリウムを使う方法

Flickr の discussion で臭化カリウム(KBr,ブロムカリ)の代わりに臭化ナトリウムを使う方法が紹介されていました。C-C-H や C-C-L ではかぶり防止にブロムカリが必須です。臭化ナトリウムはプール用品店で売ってるので、ブロムカリより手に入れやすい…とこの人は書いていますが、プール用品店って…

その返答でブロムカリの代わりにヨウ素を添加した塩を使っているという人がいました。日本のスーパーでは見かけませんが、海外ではヨウ素を添加しているところもあるようです。だとすれば、お手軽な代用品ですね。これで本当に日常的な品物のみでコーヒー現像できます。

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