明るい背景で顔が暗くなるなど、暗くコントラストの高い写真は過去にもいくつかの手法でどうにかしてみました。あわせて読んでもらえるとなんでこんなことをやっているか理解してもらえると思います。
今回紹介する手法は
TuFuseというソフトを使います。TuFuseはHDRデータを作るときと同様に露出の異なる複数の写真からデータを合成します。得られる結果や操作手順も似ていますが、TuFuseはHDRデータを作成しません。複数ある元画像の白飛びや黒潰れが無い部分を寄せ集めて合成します。「逆光などで暗くなった…」とよく似ています。が、さすが学者さん、より賢く合成してくれるんです。どう賢いかはTuFuseのホームページを読んでください。
※よくあるHDRと呼ばれているものはHDRデータをトーンマッピングした結果ですので混乱するかもしれません。ここでは本来のHDRの意味で使っています。
それではやってみましょう。TuFuseはWindowsのコマンドラインで動作します。ソースは公開されていませんので他のOSでは直接は動きません。
まず画像を用意します。今回は以前も使ったデジカメのDNG(RAW)から生成した4枚を使います。
屋外に露出があっています
屋外の暗い部分に露出があっています
人物に露出があっています
部屋の暗い部分に露出があっています
合成するデータができれば、あとはTuFuseががんばるだけです。
$ TuFuse.exe -o output.tiff data1.jpg data2.jpg data3.jpg data4.jpg
のようにします。え?それだけ?それだけでした。合成結果はこちらです。
「逆光などで暗くなった…」の手法では画像を合成するためにマスクを手作業で作らないといけませんでした。しかもマスクの継ぎ目はぎこちなくなるので適当なサイズでぼかさないといけません。TuFuseは賢いですね。
HDR+トーンマッピングと比べてもTuFuseで合成する場合、ちゃんと写って欲しい部分がよく見える画像を用意すればいいだけなので、直感的で分かりやすいです。トーンマッピングではアルゴリズムやパラメータがたくさんあって大変でした。それはそれで作りこめるから楽しいのかもしれませんが。
ちなみにDCRawがあればRAWデータから個々の画像データを作成しなくても直接RAWをTuFuseに流せるとあったので、そいつはいいやと、やってみましたら、メモリが足りなくてできませんでした。